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僕が東京に前回いたのは2019年12月。だからコロナがちょうど世界で始まりかけた時でしょうか。
それ以来の来日になるので、3年半ぶりになってしまいました。
コロナ禍はもちろんスイスもロックダウン、私もチューリヒの自宅に滞在していました。(NAT先生は普段からチューリヒとベルリンを行ったり来たりされています。)
僕の仕事はずっとミュージカルの振付が多いのですが、コロナ禍から少しずつ活動が再開された時は、ドイツのミュージカルもビッグネイムのものを中心に振付を依頼されて行っていました。
CHICAGO、ウェストサイドストーリー、キャバレー、マイフェアレディなどです。
その後、だんだんと新作を制作する動きが出てきて、ドイツの新しいミュージカル作品の振付を依頼されるようになりました。
その中で2023年に全ドイツ語圏をまとめる舞踊団体で、振付賞をいただきました。
本当に驚いたのですが、この賞をいただいたおかげで、より幅広くお仕事をいただけるようになりました。
僕のスタイルはコンテンポラリーやコンテンポラリージャズと呼ばれる部類に入るのかもしれませんが、
今のミュージカルの舞台は、シアターだけ、コンテンポラリーだけ、バレエだけ、ストリートだけというのではもう難しいです。
結局、全てが混ざり合い「フュージョン」になっていく。これがダンスの未来の姿だと思います。
料理もそうですよね!?
僕の振付の特徴は、シアターダンスのクラシカルな部分も残しながら、モダンテイストも加えている部分だと思います。
今作品で多く求められることは、やはりスピード感。また同時多発的に色々なことが複数層で起きるということです。
ゆっくりな動きとシャープな動きの緩急、そして様々なダンススタイルが融合されていることをとても大事にするようにしています。
新しい作品を創るチームに入れることはこの上ない喜びです。
もちろん大変ですが、衣装、照明、振付などなど全ての人が協力しあって、新しいものを創造する過程に立ち会えることが大好きです。
新しい作品なので、どのようにしたら良いかというガイドブックや回答はありません。それをある人のビジョンに則って、みんなが一緒に創っていくんです。
お互いにお互いを理解しよう、伝わりにくいことはしっかりと説明しようという忍耐力も必要です。
それから諦めないこと。ダンスや振付ができても、途中で諦めてしまう人が実は多くいます。
でも今まで見たことのない新しい世界を見ようと思ったら、やはり諦めずに忍耐強く最後までやり切らなければ、新しいことを学ぶことはできません。
この言葉を大事にしています。
それから、僕はレッスン中もスタジオの中をウロウロ歩き回るようにしています。
そうすることで今まで見えなかった角度から振付を見られたり、生徒の様子を伺えたり、アシスタントの目線で物事が見られたりします。
これは振付のことだけではなくて、仕事でも人生においても同じことができます。
「色々な角度から物事を見ることで、すでに自分がわかっていることから、新たに学びの機会を得られるんです。」
私のクラスでは、何かを期待することはありません。
スタジオの中に入って、みんなのエネルギーを感じ取り、今日はこんなレッスンでこんな振り付けにしようとその時々で決めています。
期待値を設定してしまうと、楽しむことを忘れがちになってしまうので。
私は常に先生であり、生徒でもありたいと思っています。
だから私のレッスンに来る生徒さんにも"先生"になって欲しいんです。
ダンスは言語を介さずにコミュニケーションが取れるインターナショナルな言語です。
エネルギーや動きを介して、コミュニケーションを取らずにコミュニケーションができる、
そのコミュニケーションを楽しんで欲しいです。
「私はその橋渡し役だと思っています!」
それからダンスはセラピーでもあります。
体のためのセラピーであり、マインドのためのセラピーでもあります。
ダンスを踊ると、その1時間45分は、自分の踊りとだけ向き合える時間になります。
そんな時間をぜひ皆さんと一緒に過ごしたいです。僕のBDCファミリーになってください。
レッスンでお待ちしています!
Jonathan (NAT) HuorClass: CONTEMPORARY JAZZ