ACADEMY

2022.12.29

BDCスカラーシップ制度 第6期生インタビュー

2022年10月、第6期BDCスカラーシップ制度を修了したばかりの3名にインタビューを行いました。
一年を振り返って、BDCスカラー生としての経験について伺いました。

【インタビュー参加者】
第6期生 写真左から→高山和大・原田智恵里・米須香音

Q.スカラーシップ制度を知ったきっかけは何でしたか?

Chieri(C):私はBDCのスカラー制度に入っていた大学の先輩から教えてもらいました。

Kanon(K):都内でコンテンポラリーのクラスを探していて、検索をかけた時にBDCに出会いました。そしてスタジオ内の掲示でこの制度を知りました。

Takayama(T):出演したミュージカルの出演者がBDCのスカラー生をやっていてその方から聞きました。

Q.本制度に参加したいと思った理由は何ですか。

C: 私はずっとバレエをやっていて、大学の時に違うジャンルをやろうと思いました。BDCに最初来たのも、バレエ以外のあらゆるジャンルを一つのスタジオで色々と学べるところはどこかな、と思っていたことがきっかけでした。

K: 私はバレエやコンテを中心に踊っていましたが、コンテンポラリーダンスというものを定着させたいと思いました。最終的にはコンテに生かしたいと思い、まずはありとあらゆるジャンルをやらないといけないと思ったことがきっかけです。ストリート系にも挑戦したいという気持ちもありました。

T: 僕はジャズダンス一筋、タップもやっていました。今後作品作りをしていきたいと思い、それなら色々なジャンルのエッセンスやニュアンスを学びたい、それをするためにスカラーシップ制度に申し込んで、あらゆるダンスのジャンルでトレーニングしなくてはと思いました。

Q. スカラーの1年間はどんな時間でしたか?

T; ショーケースがあるとないで経験が違うとは思います。僕は2年この制度に所属させてもらったのですが、コロナ禍でショーケースができなかった年は、ひたすらトレーニングをして自分の苦手な部分と徹底的に向き合うことができる時間でした。2年目でショーケースのリハーサルが始まると、振付の習得に集中しようという新たな目標ができました。

K:スカラー生としてレッスンを受けながらリハーサルにも臨むという両立は大変ではありますが、とても充実していました。エネルギーいっぱいの年だったと思います。正直、考える間もないし、悩む間もないし、本当に濃い一年でした。その時一生懸命に取り組んでいることが次につながらざるを得ない、全細胞をここにかけてやり切った充実感があります。苦しいことがあっても周りにサポートしてくれる人がたくさんいて、環境にとても恵まれていました。

C: 一年でこんなにたくさんのジャンルのダンスを毎日踊るという環境に身を置けることが人生で初めてでした。毎日こんなに存分に踊ることができて、本当にあっという間に一気に一年が終わっちゃった、って感じです。本当に充実していました。

Q.どんな人にBDCのスカラー制度をお勧めしますか?

K: とにかく、全力でダンスだけに取り組む機会が欲しい、という方には絶好のチャンスだと思います。ただ他のことをやりながら、片手間にスカラーは無理だと思います。やるって決めたらやるという選択しかない、それを迷うような人には向かないと思います。だって、厳しくないわけがないじゃないですか?(笑)

T: 全く同じ意見です。(笑)

C: やる気はもちろんですけど、体力も必要です。苦しい時もありました。ただ苦しいとか悩む時間があったら踊るべきだと思います。とにかく踊って身体で覚えていくしかないのではないかな、と。私はストリート系の振付がなかなか入らず、家で練習しまくって、それでもリハーサルが不安で不安でしょうがない、というのを繰り返しました。でもその中で、いろんな発見がありました。でもリハーサルをやる中で楽しんで消化していくことができました。

Q. スカラー制度を経て、何か変わりましたか?

T: 正直毎日やってると、その最中は自分がどうなっているのか分からない、というのはあります。ひたすら得意なものも不得意なものもレッスンを受け続けていましたが、その過程で自分が本当に成長できて変化できているのかは分かりませんでした。ただ一年の最後にショーケースに出演して、初めていろんな方から「良くなったね!」って言っていただくことができて。本当に初めて自信がつきました。 

K: 自信がついたと思います。ダンサーとしての自覚が芽生えたというか、ようやく地に足がついた感じがするというか。一年前を振り返ってみると、まだまだ弱かったんだなということを1年前の自分に教えてあげたい(笑)。 

C: 最初に自分のスケジュールの組み立て方を決めて、それをきちんとやっていくことが大事でした。私はとにかく今までできなかったアイソレをできるようになりたいと、それを習得するためにクラスにずっと通い続けました。自分で決めたんだから、それくらいの覚悟が必要って思って。最初はハテナが飛んでいたのですが(笑)、最後の方でやっと体のこんなところ動くんだ!こんなに使わないとダメなんだ!っていうすごい発見がありました。


 
Q. 今後の目標は? 

T: これから振付、そして教えをしていきたいと思っています。これはスカラー生になる時から自分の目標として決めていたことでした。なので、それを全うしたいです。

K: 私は自分で生み出す、作品を作る、ということを積極的にやっていきたいと思っています。海外でも踊ってみたいです。貪欲に自分の踊りというものを生み出し、伝えていきたいと思っています。

C: 私はまだ決まっていないのですが、いろんなジャンルを受けて体がやっと動くようになってきたと思っています。だからこそまだ自分のジャンルを決められないです。いろいろ好きなんだということははっきりと分かりました。これからは直感を信じて、いろんなことにチャレンジしていけたらいいな、と思っています。

T,K,C: とにかく今は達成感でいっぱいです!!!
 
【インタビューを終えてみてBDCより一言】

2021年9月からの1年間、コロナ禍の中でスカラーシップ制度に参加した6期生の3名。3名ともが最初から最後までそれぞれの目標を胸に、毎日徹底してクラスやリハーサルに臨んでいた姿に感心する場面が何回もありました。その成果がはっきりと皆の目に見えたのが、2022年のショーケース。それぞれが8曲-9曲ずつ、ジャンルもバレエ、ジャズ、コンテ、ヒップホップ、タップなど次から次へと表情を変え変貌する3人の姿はとても力強く大きく見えました。ダンサー、振付師、指導者としてのこれからの3人の活躍に心から期待します。