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私は格闘技をやっていて体が利く方だったので、ダンサーである姉のダンスチームで欠員があったときに代役として踊り始めました。それが12歳の時でした。それから自分のヒップホップのグループを作って、自宅のガレージで練習をしていました。
そんな中、初めてAlvin Aileyの舞台を見ました。その時、「自分がやりたいのはこれだ!」と思いました。17歳のときにAlvin Aileyのオーディションを受けました。今となっては恥ずかしい話ですが、実はその頃はバレエやジャズを真剣に受けたことがなくて、用語なども全然知りませんでした。オーディションでは見よう見まね。体は使えたので何とか付いていくことができ、奨学金をもらう形で入学することはできました。ただし、ここからテクニカルのトレーニングを1から積んでいかなければならない、と身に染みた瞬間でした。
ところがトレーニングを積み始めた矢先、怪我をしてしまったのです。とても悔しかったです。身体を痛めてしまって、Alvin Aileyでは続けることができなくなってしまいました。地元のロサンゼルスに戻って、ダンサーとしてどう生きて行こうかと思ったときに、Tovaris Wilsonに出会いました。その時からJazz Funkを始め、得意なヒップホップと、トレーニングを積んでいたジャズやバレエを取り入れた振付をするようになったのです。
それは、いつでも準備万端であることです。競争の激しいダンス業界において、勝ち残るためには、身体も心もスキルも、いつ声がかかっても100%の状態で「自分を使ってください!」と胸を張って言えるようにしておかなければなりません。一回でも、自分より隣の人が秀でているような状況があったら、あなたはその場でカットされてしまうでしょう。
そうならないようにするために必要なのは、まずは身体作りです。私のクラスのウォーミングアップでは、筋トレをしたり、ハードなメニューを組み込んでいます。きついかもしれませんが、それを毎日こなすことで身体の芯が作られていきます。私は、毎朝ハイキングに行き、ジムでトレーニングをし、その後ダンスのレッスンを教えに行きます。いつ声がかかっても100%の状態でいるためです。
とにかく「努力」!これはダンスの技術についてもそうですし、自分が目立つための何かを見つけることも必要です。皆と同じではいけないのです。技術でも他の人より目立ち、そしてどんな姿であるか、何を身に付けているかなど、ぱっと見た瞬間に、この人面白そう、と思わせる何かを身につけないといけません。
技術を磨くのは自分の得意分野を見つけ、伸ばすためという目的と、ダンサーとして様々なジャンルのダンスが踊れるようになるためです。ジャズやヒップホップだけではなく、タップやコンテンポラリーなど、明日何をして欲しいと言われるか分かりません。例えば私はあるアーティストの依頼で、20センチくらい高さのあるピンヒールを履いてパフォーマンスをしました。最初は足が痛くて本当に辛かったです。でもとにかくお腹を吸い上げて、自分の全体重が足にかからないように毎日トレーニングをしました。そのパフォーマンスは大成功で、その後様々なアーティストからヒールで踊るステージの依頼が来るようになりました。
明日どんな依頼があるか分からないのです。だからそのために、今日出来ることは全てやっておく。その積み重ねで、道は開けていきます。
BDCでダンスを教えることは大好きです!生徒はみんな行儀がよく、時間も守り、タオルと水などの用意をきちんとしてクラスに来てくれます。その真剣さに本当に感激しますし、BDCで教える度に、僕自身もよりよいダンサー・指導者にならないといけないと感化されています。クラスに来てくれる皆さんに、心から感謝しています。私が持つ出来る限り多くの情報を、身体と言葉を通して皆さんにお伝えできれば嬉しいです。
それからBDCの生徒にはテクニカルを極めようと思う心を大事にして頂きたいです。テクニカル・トレーニングを積んでいるダンサーは、汎用性が高いダンサーになることができます。そして年齢に関係なく、いつまでも踊ることができる身体を作ることができるのです。
最後に、とにかく自分のチャームポイントを見つけてください!これだけは誰にも負けない!と思うポイントを持つことを意識してください。そうすることで自分の道は開けていきますから。
ANTHONY GARZAClass: JAZZ JAZZ FUNK
L.Aを拠点にJazz Funkで大人気のインストラクター。Janet Jackson、Christina Aguilera、P!NK、Snoop Dogg、The Pussycat Dolls、The Black Eyed Peasなど、数々のアーティストと共演。全米ネットワークの超人気ダンスTV番組「So You Think You Can Dance」にダンサーとして出演。これまでに28カ国で振付やパフォーマンスを行う。