INTERVIEW インタビューINTERVIEWインタビュー

多様性を忘れないように
Get Diverse!

LA JON DANTZLER

Class: HIP HOP

Tovaris  Wilson

ダンスとの出会い

ダンスとの出会い

実は私は自分の家族の中で唯一のダンサーなんです。踊り始めたのは、ニューヨークの祖母の家のリビングルーム。音に合わせてリズムを取って遊ぶのが好きでした。高校生のとき、アフタースクール・プログラムがあって、そのプログラムがたまたま売れる前のAlicia Keysと繋がっていたんです。彼女のコンサート等にも連れて行ってもらえて。そこでAliciaと一緒に踊っていたVictor Rojasというダンサーを見て、虜になりました。今でもLady GagaやSpice Girls、Janet Jacksonなど著明アーティストと仕事をしている人ですが、彼の踊りがとてもエネルギッシュで格好良くて。そこで彼に弟子入りしようって決めたんです。それが19歳のときでした。

彼に言われたのが、「適当に踊っているだけではなくて、きちんとトレーニングを積むように」ということでした。自分はリズムに乗って、フィーリングで踊って、人前で見せたりするのが好きだったので、最初は躊躇しました。少し時間がかかってしまいましたが、思い切ってマンハッタンでレッスンを受けに行ったんです。

初めて行ったとき。それはそれはカルチャー・ショックでした。こんなにクラスがきっちり進められて、しかもこんなに「激しい (Intense)」ものだとは思わなかったんです。私が受けていたクラスは、もの凄く厳しくて激しかったんです。足を上げ続けないといけないときに、足を床に落としてしまうと、連帯責任でもう10分とか言われたり。すごく辛かったんですが、周りの皆の「情熱」に自分も感化されて、それで続けていました。今はそのトレーニングを受けたことに感謝しています。あのエネルギーを感じたからこそ、自分のダンスに対する情熱がいつまでも冷めないのだと思います。

ダンサーにとって大切なことは

ダンサーにとって大切なことは

絶対にそれは「基礎 (Foundation)」です。基礎があるから、自分のダンスの幅が広げられる。自分のダンスの幅があるから、振付の幅も広げられる。そして仕事に繋がる。

私自身はポッピングから始めました。ヒップホップやロッキングはもちろんやりましたが、ジャズもバレエも全てやりました。実は「ヒール」のクラスまで取っていたんです。自分が振付をするアーティストには色々なダンスの味を持っている人がいて、そして多くの人が高いヒールを履いてステージに立ちます。その方々の特長を活かした振付をしたいと思ったとき、自分がヒールを履いて踊れないのに、他の人に指図はできないって思いました。自分も10cm以上あるヒール靴を履いて、レッスンをしました。とても大変でしたが、本当にいい経験でした。バレエもジャズも同じ。よりよいダンサー、振付師になるためには、ダンスの基礎トレーニングを積むことで幅を広げることが必要です。

BDCの生徒へのメッセージ

BDCの生徒へのメッセージ

未体験のことに挑戦することを恐れないで下さい。BDCの生徒たちは皆とても優しくて、エレガントです。その一面も持ちつつ、ヒップホップという一見激しく見える分野にも挑戦してみて欲しい。そこでダンサーとしての幅が広がります。世界は広いのですから、その世界を覗いてみる勇気を是非持って欲しいです。

それから日本のヒップホップダンサーの皆さん全員にお伝えしたいこと。ヒップホップという枠に留まらないでいて欲しい。ジャズ、バレエ、タップを受けて、自分のスタイルに取り入れられるものをどんどん吸収して行って欲しいです。「多様性を忘れないように。Get Diverse!」

これからの活動について

ダンスの世界というのは、本当に競争が激しいです。ニューヨークもロサンゼルスも、他の人を蹴落としてでも自分が上に上がるという意識が残念ながら蔓延しています。でも私はそういう考え方を捨てて、心から友人たちと助け合いながらダンスの仕事をしていける、そういうコミュニティ作りをしたいと思っています。これからもヒップホップを教えながら、アメリカでも日本でも、そういうダンサーのためのコミュニティとなるクラス作りをして行きます。

LA JON DANTZLERClass: HIP HOP

ニューヨークを拠点に、Alicia Keys、Cassie、Justin Timberlakeなどのアーティストの振付・ダンサーの仕事を担う。その他映画「Step Up 2」や「Step Up 3D」などにも出演し、ハリウッドでも活躍中。

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