INTERVIEW インタビューINTERVIEWインタビュー

音が身体を通過する感覚を養うこと
そうやって自分のカラーを見つける

MARCO VIRGILI

Class: MODERN JAZZ CONTEMPORARY JAZZ

Tovaris  Wilson

はじめにご自身のご紹介をお願いします。

はじめにご自身のご紹介をお願いします。

私はイタリアオルビエート市出身で、その町にあるVertycal Loftというダンススタジオのオーナーです。イタリアでダンスを教え、パリやストラスブルグなどでも教えています。
東京に初めて来たのは2017年でした。BDCのデイレクターから突然電話とメールで連絡がきて、日本に来ないか?って声をかけてもらったのがきっかけです。その時は本当に驚きました。

Vertycal Loftは小さなスタジオとしてスタートしましたが、今は大きく成長しました。私の夢は世界中のスタジオやダンサーとコラボレーションをすることです。イタリアのダンサーと世界のダンサーが交流し、いろいろなスタイルや国籍の人たちと一緒に新しいクリエイションをする場にして行きたいという夢があります。

日本に初めて来たときはどのように思いましたか?

日本に初めて来たときはどのように思いましたか?

日本という国は私にとってとても遠い場所でした。まさか自分が日本で踊りを教えるようになるとは想像もしていませんでした。まさに夢です。でもその夢が叶った今、私の全てをクラスに注ぎ込もうと思っています。

日本のダンサーはエネルギーレベルが高く、そして集中力が高いですよね!?それに最初は感動しました。ヨーロッパのダンサーの学び方とは全然違うんです。日本のダンサーは質問もあまり多くなく、とにかくどんどん素早く吸収していくイメージです。だから、大きな長めのコンビネーションをレッスンの中で踊ることができます。それがとても楽しいです。そしてクラスの中に競争というものがなく、互いにリスペクトを持っている印象を持ちます。それがとても心地よいです。

私がダンサーの皆さんにお伝えしたいのは、ジャズだけ、コンテンポラリーだけ、ヒップホップだけ、というのはだめだということです。自分が得意な分野だけやるのでは成長できません。一人一人の先生が、全く違うことを教えてくれます。それを一つずつ吸収していくことが大切です。コンビネーションのスタイルを変化させることを怖がらないでください。それがあなた自身の色(カラー)になっていきます。

Marco先生のダンススタイルはどのようなものですか?

Marco先生のダンススタイルはどのようなものですか?

モダンジャズとコンテンポラリージャズです。私はイタリアのローマでたくさんの先生たちから主にバレエとモダンのレッスンを受け、そしてプロとして活動するためにパリに移りました。ハーモニックというパリのスタジオで、ヒップホップを踊り始めました。とにかくさまざまなダンスのエッセンスを吸収しようと、いろいろなクラスを受けました。

私は踊る時に、音楽に身体を通過させるようにしています。私の身体が音楽と連動するのです。自分のスタイルを見つけるためには、自分の感情をまず見つけ、それを身体で表現する必要があります。自分の感情で自分の身体だから、自分のスタイルになる、という意味です。

ダンサーにはエネルギーと集中力を持ってレッスンに臨んでほしいです。そして、頭の中にあることを見せてほしい。何か新しいことに挑戦をしてほしいです。私が渡す振り付けを、自分が思う通りにアレンジして、それをトライして見せてほしい。スタジオの外のことはスタジオの外に置いてきてください。踊りに全集中してみると、今までできなかったものが表現できたり、発見がとても多いですよ。

私はクラスをゆっくり進める時と、スピード感を持って進める時とがあります。できるだけ異なるカラーを皆さんにお渡ししたいからです。ペースを変化させ、毎日が違うようにすることが私の目標です

私はスローな振りの時もあるし、力強く早い振りの時もあります。コンビネーションによって多様な顔を持てるようにしています。

自分独自のスタイルを見つけるためには、まずはいろいろなスタイルを学ぶことが一番大事です。同時に自分の身体を理解することも必要です。自分の身体の声に耳を傾けてみてください。

BDCとのコラボレーションで、イタリアのご自身のショー「Unconventional Circus」にBDCのダンサーたちが出演しましたね。その時のことを教えてください。

BDCとのコラボレーションで、イタリアのご自身のショー「Unconventional Circus」にBDCのダンサーたちが出演しましたね。その時のことを教えてください。

本当に夢のような体験でした。日本のダンサーにぜひイタリアのダンスシーンを体験して欲しかったのです。ショーだけではなく、イタリアに短期間ですが住み、現地のダンサーたちと現地の講師のクラスを一緒に受ける、リハーサルに臨む、一緒に作品を作るという経験をしてもらいたかったのです。

2018年、11名のダンサーをBDCのオーディションで選抜し、2週間イタリアに来てもらいました。リハーサルをして合計3曲に出演してもらいました。現地の観客も本当に喜んでくれましたよ。こういう交流をすることで互いにインスピレーションを受け、また新しいクリエーションが生まれていくという美しい連鎖を生むことができたと思っています。

またこうした特別な機会を企画できるといいなと思っています。私のアイディアや経験をぜひ皆さんの役に立つよう注いでいきたいです。

BDCのダンサーたちへ、一言お願いします。

BDCのダンサーたちへ、一言お願いします。

私がBDCのダンサーたちに言いたいことは、「とにかく学び続けることをやめないでください」ということです。

どの瞬間も異なります。どの仕事も異なります。1つのことしか見ていないのは良くないです。ダンスというものは常に変化をし続けるし、終わりがありません。到着点というのがないんです。だからさまざまな先生から、異なることを習得してください。新しいアイディア、新しい感情、新しいテクニック。振付師や講師によってダンスとの向き合い方が違い、それを体験することがあなたにとってのカラーになって行きます。だから学ぶことをやめないでください!それが私の皆さんへのメッセージです!

MARCO VIRGILIClass: MODERN JAZZ CONTEMPORARY JAZZ

ローマにてクラシカルテクニック、コンテンポラリー及びモダンジャズを習得。Roberta Fontana、Jodi Goodman、Mia Molinariなど著名ダンサーたちに師事。
欧州のテレビ番組や舞台でダンサー・振付師として活躍。現在はパリのStudio Harmonic、ストラスブルグのLa-Fabrikで講師を務める他、イタリアで自身のダンススタジオを経営。振付師・講師としてダンサーの育成に努めている。

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