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2025.11.16
訃報:BDC講師 漆原宏樹先生 ご逝去のお知らせ(追悼)

訃報:BDC講師 漆原宏樹先生 ご逝去のお知らせ(追悼)
このたび、ブロードウェイダンスセンターにおいて長くにわたりクラシックバレエをご指導いただきました漆原宏樹先生がご逝去されました。
半世紀以上にわたり日本のバレエ界の発展に尽力され、技術とともに“踊ることの喜び”を多くのダンサーに伝えてこられた先生の存在は、BDCにとってかけがえのないものでした。
1968年に「音楽新聞新人賞」を受賞、1973年には文化庁在外研修員としてニューヨーク、ロンドン、パリなどに留学し研鑽を積まれた後、全国各地で振付や指導に携わり、こうべ全国洋舞コンクール、全日本バレエコンクール、NBAコンクール等で数多くの才能を育てられました。さらに、日本バレエフェスティバル実行委員、日本バレエ協会理事として、長年にわたり舞踊界全体の発展にも貢献されました。
BDCにおきましても二十年以上にわたり、クラシックバレエの基礎を重んじ、生徒一人ひとりの中に眠る“美しさ”と“強さ”を丁寧に引き出すご指導を続けてくださいました。
「日々のたゆまぬレッスンが何よりも大切である」との信念を常に体現され、お亡くなりになる直前まで稽古場にお立ちになっていました。日々の研磨が実りを生むという、当たり前のようで実践が難しいことを、先生はそのお姿を通して私たちに教えてくださいました。
漆原先生はBDCの公演やショーケースにも折に触れてご来場くださり、「こんなにたくさんのダンサーたちが、さまざまなジャンルの踊りで輝いていて、今年も素晴らしい舞台ですね」と、舞台に立つダンサーへの温かなまなざしと、私どもへの励ましのお言葉を頂戴したことを思い起こします。
コロナ禍の困難な時期には、「スタジオを守ってくださり感謝します。開けてくださる限り、私は予定通りにレッスンを行いたいと思います。」とのお言葉を賜り、スタッフ一同の心の大きな支えとなりました。踊りを通してこの大変な時代を生き抜こうとしていた多くのダンサーの皆さんを迎える場を創り続けることに、改めて深い意義と勇気を見出すことができた瞬間でした。
漆原先生の温雅なお人柄と、舞踊に対する真摯なお取り組みは、私どもの心に深く刻まれております。
永年にわたりBDCに寄り添ってくださったことに深く感謝申し上げ、謹んでご冥福をお祈りいたします。
ブロードウェイダンスセンター