INTERVIEW インタビューINTERVIEWインタビュー

BE OPEN!! 心も頭もオープンに!

Camden Loeser

Class: THEATER JAZZ

Tovaris  Wilson

BDCでレッスンを開講されるのは初めてだと思いますが、1週間教えてみられてダンサーたちの印象はいかがですか?

BDCでレッスンを開講されるのは初めてだと思いますが、1週間教えてみられてダンサーたちの印象はいかがですか?

まず、BDCスタジオのコミュニティ感が大好きです!初めてスタジオに足を踏み入れた時から感じていますが、とてもプロフェッショナルで、コミュニティを大切にしている感じを生徒のみなさんや講師の方たちから瞬時に感じました。

それとレッスンに来てくれる生徒の皆さんのコミットメントとダンスに対するハングリーさをすごく感じます。その集中力が本当にすごいです。どのムーブメントにも集中して、見たものものをそのまま再現しようとするエネルギーは、他でもなかなか感じることのできないものだと感じています。

それと、良く見えるためだけのためにレッスンに来ていないことも大事ですね。映像に映るから、とかではなく、「本当に学びたい」と思っている人たちが集まっている気がして、感動すらします。自分ができる動きだけではなく、できなくて、むしろ違和感を感じる動きにも、とにかくチャレンジしている姿が本当に印象的です。しかもみんなすごいフレンドリー!!毎日のクラスが本当に楽しいです。

BDCのダンサーの皆さんは、振り覚えがとても早いですね。それは日々のトレーニングの成果だと思います。振りを覚えるというのも一つのダンススキルなので大事にしてほしいです。見たものを吸収して、再現しようという集中力がとても高いのだと思います。そのおかげで言語の壁を全く感じません。

BDCのダンサーに習得してもらいたいものは?

BDCのダンサーに習得してもらいたいものは?

これは日本のダンサーに限らず、ニューヨークでもロンドンでもそうなのですが、正確性を極めすぎてパーフェクトになりすぎないようにすることです。もっと「ヒューマニティ(人間らしさ)」を出してほしいです。

人間は歩くときに右手と左足が自然に前に出ますよね?それは相対するエネルギーを使って歩くから、自然とそう動くのですが、振り付けの中でも同じように対抗するエネルギーを使うことで、身体の長さだったり、大きさだったりを表現できます。でもそれが「振り付け」と言われた瞬間に頭で理解しようとしてしまい、結果右手と右足が一緒に出てしまったりすることがあります。

でも人間の原点に戻れば、自然と右手と左足が動くはずなんです!

ダンスというものは、もともと、ソーシャルダンスやリチュアルダンスなどから始まっています。つまり過去の人間たちがリズムをとって、どこにもぶつけられない感情を表現するところから始まっているんです。だからダンスはもっともっと人間臭くていい。人間らしさを活かすべきなんです。

テクニックはもちろん大切です。でもそこに滞っては欲しくありません。あまりパーフェクトになろうと思わないでください。内から出るものを大事に表現していってください。

先生が教えていらっしゃるコールテクニックについて教えてください。

先生が教えていらっしゃるコールテクニックについて教えてください。

元々は僕の師であるChet Walker(チェット・ウォーカー)が続けていたライフワークなのですが、私もアシスタントとして一緒に開発と振り付けに携わってきました。

「ジャズダンスの父」と呼ばれるジャック・コールは、多様な国の舞踊を取り入れた自身のダンススタイルを1930年代~70年代にかけて確立していきました。

東インド舞踊、フラメンコ、リンディーホップ、アフロキューバン、チケッティバレエなどの要素が取り入れたものがジャズダンスというスタイルの出どころだということを知る人は、実はとっても少ないのです!それが現代で言われる「ジャズダンス」の起源です。

コールが自分のカンパニーメンバーに動きを伝える中で、正確性と同時に、身体の長さやコアの強さを重視していました。その動きを再現するために必要な体のコントロールを習得させるために、彼がジョセフ・ピラティス(現在ピラティスとして知られるようになった「コントロロジー」の生みの親)と作ったトレーニングメソッドは、実は2時間半にも及ぶものでした。

コールテクニックは、すべてのダンサーに必要となる、自分の身体の理解、強さ、長さ、広さを呼吸に合わせたエクササイズをしていくことで自然と身につけていくことができる素晴らしいメソッドです!

そして私のジャック・コールの振付クラスでは、コールの振付作品に加えて、私とチェットが創作したコールにインスパイアされた振付作品を踊っていきます。この作品は、現在製作中で来年ニューヨークで上演予定のミュージカルの中で踊られる作品たちです。ちなみにコールはマリリン・モンローの振付師でもあったので、彼女の作品もコール作品として多く残っています。

BDCのダンサーたちにぜひメッセージをお願いします。

BDCのダンサーたちにぜひメッセージをお願いします。

BE OPEN!! 心も頭もオープンでいてください。自分が慣れないことに対してもオープンでいてください。ダンサーはいつまでも学び続けないといけません。プロとして自分が商品になったとしても、です。どんなに踊っても、より深く掘っていくことができるのがダンスです。

私はミュージカル「CHICACO」の演出監督のアシスタントもしていて、全世界をツアーで回る出演者たちにも教えているのですが、綺麗に見えるだけでは足りません。コールメソッドを通して、自分の身体をより深く理解し、自分がどのように動けるのか、それに必要な基礎はなんなのか、を探求し、そうすることで自分の身体の可能性を知ることができます。その積み重ねでパフォーマンスをどんどん変えていくことができます。私もそれをやってきて初めて見えた世界があるので、確実に言うことができます。

とにかくオープンでいること。そして自分の身体と対話をする術を身につけること!それが私がダンサーの皆さんに伝えたいメッセージです。

Camden LoeserClass: THEATER JAZZ

ニューヨークを拠点に活動するパフォーマー・振付師。Chet Walker のアシスタントを務め、2017年NATIONAL TOUR IN ‘PIPPIN’で北米ツアーに出演、ダンスキャプテンを兼任。
「CHICAGO THE MUSICAL」の全米ツアーでは、Gary Chrystのアシスタントを務めResident Choreographerとしてツアーに参加。
師Chet Walkerがライフワークとしていた「ジャズダンスの父」ジャック・コールのダンステクニックを伝授するワークショップを本人から継承し、NY、ロンドンなど世界各地で開催している。

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