INTERVIEW インタビューINTERVIEWインタビュー

動きを通してストーリーを
伝えられるように

Matthew Couvillon

Class: JAZZ

Tovaris  Wilson

Matthew先生ご自身について教えてください。

Matthew先生ご自身について教えてください。

米国ルイジアナ州出身で、この10年間はニューヨークに住んでいます。大学ではモダンダンスを専攻していましたが、元々はミュージカルシアターを地元でやりながら育ちました。大学卒業後、モダンダンスカンパニーに入るためにニューヨークに移ったのですが、僕の心はどうもミュージカルシアターにあったらしく、迷いながら過ごしていました。最終的にモダンの先生から「君はモダンダンスにはスマイルが多過ぎる」と言われて(笑)、やはりミュージカルに行くべきだと思ってキャリアを定めました。

ただモダンダンスやバレエなどのクラシカルなトレーニングは、自分がパフォーマーとして舞台に立つ時だけではなく、振付師として仕事をするようになって本当に役立っていると思います。自分の体を動かすことだけではなく、人への的確な指示だしができるようになったからです。

師匠のBaayork Lee(ミュージカル『コーラス・ライン』オリジナルキャスト)とは9年くらい前、ニューヨークに移って1年目のときに幸運にも巡り会いました。それからは彼女とずっと一緒に仕事をしています。

最初はBaayorkが演出をしてChorus Lineに出演し、東京にもツアーで来ました。その後、ダンスキャプテン、アシスタント、そして今はアソシエイトというポジションをいただいて、Baayorkと一緒に作品作りをさせてもらっています。

この秋には、俳優のAntonio Banderasがスペインに作る劇場のこけら落としとしてChorus Lineを上演することが決まっていて、その舞台のアソシエイト・コリオグラファーとして参加することも決まっています!世界中でこんなに多くのショーに携わらせてもらえるのも、Baayorkとの出会いがあったからだと本当に感謝しています。

ダンサーとして成功する秘訣はどこにあると思いますか?

ダンサーとして成功する秘訣はどこにあると思いますか?

まずはクラシカルトレーニングをやること、です。モダンダンスやバレエなど、自分の体を想い通りに動かすのに役立ちますし、ダンスのジャンルを超えて幅広い動きを習得するのに役立ちます。またダンスを指導する人として、情報を他のダンサーに伝えやすくなることは確実です。

そしてもっとも大事なのが、強い気力・意欲を持つことだと思います。自分の将来に描く大きな絵というものは誰でもが持っていると思うのですが、やはり夢だけでは何も始まりません。トレーニングと懸命に取り組む姿勢が何よりも大事です。また大きな舞台に最初から出られなかったとしても、それは大きな夢に向けて自分が経ないといけないプロセスで、その過程も楽しみ、その機会に感謝するようにしないとダメだと思います。それがいずれは、自分の大きな夢に繋がっていきます。

BDCのダンサーについてどう思いますか。

BDCのダンサーについてどう思いますか。

本当に皆さん注意深く、懸命にレッスンに付いて来てくれますね。そして本当に振り覚えが早い!早すぎて、本当に驚いています!それは、皆がレッスンを普段から一生懸命に取っている何よりもの証拠です。というのは、これは様々なダンスコンビネーションを踊ることでのみ身につけられる術だからです。

皆さんにこれから習得して欲しいな、と思うこととしては、新しいアイディアやスタイル、ポジションの取り方などを、より探索することです。曲やコンビネーションによって、スタイルというものは大きく変わります。その変化に付いていけるようにするためにも、自分の動きの中でいつもとは違う動きや見方を身に付けてほしいなと思っています。

僕もダンサー達によく言うのですが「いつも赤ばっかりで絵を描いていてはダメ。トーンをどう変えるのか、自分は何色で描けるのかを考えて表現できるようになれば、ダンスはステップだけではなくなり、踊りになる」。動きを通してストーリーを伝えられるようになってください!振付師や演出家は、それを求めていて、そういうダンサーに仕事をくれるんです。

ダンサーの皆がそうできるようになるためにBDCもこうして様々なスタイルを持ったインターナショナルな先生方を東京に呼んでくれているんだと思います。同じジャズでも、違うスタイルのジャズを踊って欲しいです。そしてジャズの枠も超えて、色々なスタイルに自分の身をさらして欲しいです。ニューヨークのシアターダンサーたちも、今はシアターダンスを踊れるだけでは仕事にはありつけません。新しい世代の振付師が出てきているのに合わせて、ダンサー達もコンテンポラリースタイルやストリートスタイルなど、様々なスタイルを踊れないと仕事はもらえないんです。ダンスの基礎は大事に、そして様々なスタイルを探求してください!

受講者の皆様に一言

受講者の皆様に一言

今日までは、クラシカルなブロードウェイナンバーを中心にクラスを進めて来ました。テクニカルでもありますし、格好良さも求めます。そしてこれからはコンテンポラリー的な要素も少しずつ入れて行きないなと思っています。皆さんには、慣れていて上手くできる動きと、新しくやってみる動きと、両方を組み合わせた振付に挑戦して行ってもらえるようにして行きたいと思っています!皆さんが心地よく、新境地にチャレンジできる環境にして行きたいと思っています!

新しい国での新しいクラスで、皆さんとお目にかかれるのが本当に嬉しいです。僕のダンスファミリーがどんどん広がって行っています。ダンスは全ての境界を超えていけるものなので、本当に素晴らしいなと改めて思います!ぜひクラスにも気軽に来てみてください!シアターダンスと言っても色々な種類がありますので、僕のスタイルにもぜひ挑戦しに来てください!

Matthew CouvillonClass: JAZZ

クラシカルジャズのテクニックとコンテンポラリーダンスの美的価値を掛け合わせることを得意とする振付師として、ミュージカル作品に数多く携わる。ルイジアナ大学卒業後、Jacob's Pillowにて、ジャズダンスのマスターでブロードウェイのベテランであるChet Walker氏のもとで学ぶ。近年はトニー賞受賞者Bob Avian氏やBaayork Lee氏(A Chorus Lineオリジナルキャスト)との舞台作りに取り組んでいる。自身も「West Side Story」「A Chorus Line」「Cats」など、米国内外の数々のミュージカルに出演。2018年にはNew York Cityでリバイバルされた「A Chorus Line」の振付助手を務めた他、「NEWSIES」や「Legally Blonde」などのダンスナンバーに定評があるミュージカルの振付師として活躍中。

▶︎参考動画
A Chorus Line - New York City Center
(演出:Baayork Lee、演出助手:Matthew Couvillon)

West Side Story - Virginia Repertory Theatre
(演出:Matthew Couvillon)

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