INTERVIEW インタビューINTERVIEWインタビュー

Sing with your body!
身体を通して歌うということ

SHAUN EARL

Class: JAZZ

Tovaris  Wilson

俳優・歌手・ダンサーになるまで

俳優・歌手・ダンサーになるまで

私はとにかく人の真似をするのが大好きで、歌手だった母の真似をしながら毎日歌っていました。7歳のとき、ある合唱団の先生に誘われてコンサートでソロを歌いました。そのとき目の前にいるお客さんたちが、私が歌う曲を聞いて泣き出したんです。そのとき、歌がもつパワーというものに初めて気付きました。

演技をするようになったのも、踊るようになったのも、テレビで見たものを真似するのが好きだったことから始まっています。ドラマの中の警察官からミュージックビデオのダンサーまで、何でもマネをしました。そんな中、初めて「Fame」という映画を見たのです。憧れました。タフで強い男性でも、ダンサーとしてバレエクラスを取り、モダンダンスを優雅に踊る。男性にとって、そういった自由な自己表現法を見せてくれたこの映画は衝撃的でした。

それに感化され私は俳優を志し、初めて得ることができた役が、テレビ番組化された「Fame」の中での役でした。その番組のリハーサルや収録を通して、私はこれまで人真似で行なっていた「動き」というものを「ダンス」として勉強していったのです。

Shaun先生にとってダンスとは

Shaun先生にとってダンスとは

私はダンスの人間的な部分が好きです。ダンスは言葉ではなく体というツールを使って何かを説明すると言う行為だと思っています。自分の回りで何が起きているのか、自分は何を感じているのかなど、何かを表現するためのツールなのです。それは日々個々人が感じていることを表現するだけでいいのです。

ダンスの動きにはそれぞれ意味やストーリーがなければなりません。表現方法を学ぶということよりも、動きを使って何かを説明したい、と思う心が、ダンサーにとって重要なことなのではないかと思います。そしてそれを見る人に、その動きの意味を信じてもらわなくてはならない。それがパフォーマーの真の力です。

ブロードウェイに立つ役者として

ブロードウェイに立つ役者として

私がミュージカル「Rent」のエンジェル役を演じるようになったとき、それまでのエンジェルはどちらかと言うと女王様気質でした。でも私が台本から想像したエンジェルという人間は、もっと温かみがあり、人をサプライズさせる茶目っ気を持った人でした。なので私は舞台に立つとき、観客はもちろん、一緒に舞台に立つ他の役者たちが、私が演じるエンジェルを見ると元気になり、ビックリするようなパフォーマンスをすることを意識していました。

初めて私がエンジェルとして舞台に立った日の「Today for You, Tomorrow for Me」というエンジェルの元気なソロナンバー。リハーサルの時から、演出家の先生にはどのくらい自由度を持ってエンジェルを演じていいかを確認してあったため、その範囲内で歌にもダンスにもオリジナリティを出したい!と張り切っていました。

そこで、頭をグッと後ろに倒して勢い良くパッと戻ってきて、満面の笑顔でキメルという動きを取り入れたんです。でも頭を後ろに倒した瞬間、何とカツラがポロッと落ちてしまったのです!役者たちも観客も「あっ!」と息を飲んだのが分かりました。でも私は何もなかったかのように、元気よく歌い、激しく踊り続け、最後のポーズもばっちりキメタのです。エンジェルは、きっとそうしていただろうから。その曲が終わったときは、スタンディングオベーションでした!とても気持ちがよかった(笑)。

ダンサーというのは演者であり、身体を通して演じ歌うことがダンスです。演者というのは、自分が発信するメッセージを相手に信じてもらえるよう、一つ一つの動きにメッセージを込めることが大切です。

BDCのダンサーへのメッセージ

BDCのダンサーへのメッセージ

20年程前にBDCの方々にレッスンのチャンスを頂き、以来ブロードウェイと行ったり来たりしながら、東京でレッスンを教えて来ました。

私がクラスを教えるときに大事にしていることは、生徒のために安全で居心地のいい環境を作ることです。人に迷惑をかけなければ、クラスの中ではどんなことをしても良い。失敗をしてもいい。とにかくダンスは楽しくて、身体を通して何かを相手に伝えるということは楽しいことなのだ、と感じて欲しいです。

長年私のクラスを受けてくれている生徒の皆さん、そして新しく飛び込んで来てくれる生徒の皆さんに心から感謝します。「Sing with your body!身体を使って歌って下さい!」一人の人間として、身体を使ってメッセージを発信することを、是非楽しんでください。

SHAUN EARLClass: JAZZ

10代の頃より、"Fame"に出演。歌って踊れる才能を持ったダンサー兼俳優。On Broadwayの"Rent"では、Angel役という大役を務め、舞台上で繰り広げられるAngelのダンスナンバーの振付にも深く携わる。また"Rent"のNational Tour 1stにも参加。映画"Punks"には俳優として出演し、"The Bodyguard"、"Coming to America"、"To Live & Die in L.A."にはダンサーとして出演。コンサートではMichael Bolton、Reba McEntyre、TVでは"MTV Award with Prince"、"Natalie Cole with Big Break"などの大物俳優やミュージシャンと共演している。

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